ハモン・イベリコとは?

ハモン・イベリコイメージ

ハモン・イベリコとは、イベリコ豚から作られる生ハムのことです。
そのイベリコ豚とはイベリア種という原産の黒豚 (或いは純血度50%以上)でスペイン西部地方のみに 生息しています。 そして最大の特徴は、広大な森林地帯で 放牧され主にドングリを食べて育つ、ということです。 このように育てられた結果イベリコ豚にはオレイン酸が60%近くも含まれており、他にもビタミンB群、 ビタミンE類などが豊富に含まれております。 さらにイベリコ豚は次のように4段階に分けられています。

De Bllota
(デ・ベジョータ)
初期飼育の後、モンタネラの時期(11月〜1月)に最終飼料のドングリによって規定体重まで達したもの。
De Cebo de Campo
(デ・セボ・デ・カンポ)
基本飼料は穀物・牧草等によるもので、且つモンタネラにもさせたもの。
De Cebo
(デ・セボ)
育てた環境の規定は特になし。基本的に豚舎育ちで一般飼料が与えられる。

生ハム原木の取扱いと保存について

生ハム原木

保存についてですが、カットしてない原木のままの状態でしたらまず常温でそのまま保存しておいても問題はありません。(正しい温度帯はあまり変化の少ない場所が望ましいです。)

切りかけをを保存する際には、初めに切った外側の脂身を切り口に被せ、さらにその上からラップを被せて肉の酸化を防ぎます。
この時注意したいことは全体をラップで包まないことです。全体をラップで包んでしまうとそこだけ湿気が溜まりやすくなり、カビを生やす原因となるからです。

※注意
ハモン・イベリコ、ハモン・セラーノ等にカビが生えるのは通常です。むしろ製造時期はカビを生やすからこそ美味しいハモンに仕上がるのですが、カットし始めた後は適度にお手入れする必要があります。

保存時の温度帯ですが毎日少しずつ食べるのであれば、常温(理想は室温20℃前後)で置いても問題ありません。もちろんなるべく早く食べきる方が良いですが、日が空くようでしたら低温保存(14℃~15℃)も考えられますが、冷蔵庫等に繰り返し出し入れすると品質が落ちる場合があります。

D.O.(原産地呼称)について

D.O.

ワインやチーズなどにも適用されているように伝統的な特徴(飼育条件や製造方法等)を守る為にに定められた法的な証明です。
D.O.の認可を得る為には、申請し検査に合格すれば取得できるが、その為には様々な要件があり、一度認められても年には数回の検査があり、今年受かったとしても来年もD.O.のメンバーでいられる保障はありません。

現在スペイン国内においてハモン・イベリコのD.O.は全部で4つあります。

血統についてはイベリコ種50%(脂が強い)、デュロック種50%(赤身が強い)の掛け率まで認められており、D.O.については75%以上でなければなりません。
またイベリコ豚は必ず放牧でなければならず、それはデエサに限られます。

D.O.(原産地呼称)の特徴

ギフエロはサラマンカ地方の村落、海抜1000m以上の高地に位置し、平均で7~8ヶ月の間が冬になります。その非常に乾いた涼しい環境は長く熟成期間を取る事が出来る為、肉の旨みを十分に引き出すことが出来るのです。(カルディサン社では8kg前後の原木で約36ヶ月、9k以上になると40ヶ月以上熟成している原木もあります。)
D.O.ギフエロはイベリコ豚のハモン(後脚)と肩肉ハムの中で最古の原産地呼称として長い肉製品製造の伝統があり、中でもギフエロが最も有名です。

D.O.イベリコ豚の分析

イベリコ豚の特徴としてその脂身にはオレイン酸とリノレン酸が含まれていることが挙げられますが、このオレイン酸とリノレン酸はイベリコ豚自身で作り出すことが出来ない成分です。
豚の消化作用は単純で食べた物がそのまま成分として残ります。よって分析にかけオレイン酸とリノレン酸の含有量を調べればそのイベリコ豚がどれだけドングリを食べているか調べることができるのです。
D.O.として認められるにはその脂身に54%以上のオレイン酸含有量がなければなりません。またリノレン酸については9.5%以下まで認められてます。(それは大豆等も食するので)
以上の結果を踏まえてD.O.としてのタグが付けられることとなります。

D.O.

イベリコベジョータ
イベリコベジョータ

証明の見方

足首に巻くタグ「プレシント」は飼育の証

下に巻く紙のタグ「ヴィトラ」は 生産の証で
通常は2重に管理チェックされてます。
(ちなみにヴィトラの下には通常、生産メーカ
個別の 紙パックが巻かれている)

レセボ

D.O. GUIJUELOでは年間30万頭分(前足60万足/後ろ足60万足)の検査が行われ、合格するのはそのうちの30%です。(18万足/60万足)。